MLMでムダな在庫を出さない方法4つ!損失リスクの高い在庫の種類とは?

自営業やMLMビジネスのような委託販売で基本となるのが「在庫管理」です。余剰在庫や滞留在庫となってしまった商品は単に無駄になる可能性が高く、大きな損失につながってしまいます。ここでは、委託販売で過剰な在庫を出さないための方法について詳しくお伝えしていきますので、ぜひとも参考になさってください。
Contents
損失リスクの高い在庫とは?5種類の違いを解説
MLMビジネスとして仕入れた商品を販売している以上、一定数の在庫を確保しておくことは必要不可欠です。むしろ、在庫不足によって顧客が希望しているタイミングに商品が提供できなかった場合、苦労して獲得したリピーターの信頼を失いかねません。
では、確保しておくべき在庫と処分対象になる確率が高い在庫は、どのように見極めれば良いのでしょうか?その答えを知るには、5種類の在庫について特徴を理解しておく必要があります。ここからは、損失リスクが低い順から個別に解説しましょう。
「優良在庫」とは?
一般的に、仕入れた商品が下記の4点を満たしている場合は、最も損失に繋がるリスクが低い「優良在庫」に分類されます。
▼優良在庫の特徴
- ビジネス上、常に確保しておくべき在庫
- 賞味期限や使用期限が切れるまで、かなりの猶予がある
- 健全な状態で保管され、商品価値が損なわれていない状態
- そのまま、または何らかの手法を用いることで十分に売れる見込みがある在庫
ネットワークビジネスにおいて確保しておくべきストック商品であり、あえて急いで処分する必要がない在庫、と言った方が分かりやすいかもしれません。
優良在庫は、本来であれば十分な利益が見込める商品ストックです。「今すぐ現金が必要」という場合は真っ先に優良在庫を除外し、既に利益率が低下してしまった在庫から優先的に処分しましょう。
「余剰在庫」とは?
優良在庫の次に損失リスクが低いのが「余剰在庫」です。いわゆる過剰仕入れによって増えてしまうのが主な原因で、特徴として下記の3点が挙げられます。
▼余剰在庫の特徴
- 必要以上に仕入れた商品が、売れずに余っている状態
- 売れ残りではあるものの、商品の質や状態に問題はない
- 需要があれば売れる在庫
デッドストックや不良在庫との最大の違いは、商品自体の価値が決定的に損なわれていないという点です。ただし、余剰在庫には利益に繋がる可能性がまだ残されているものの、だからと言って保管しておけば確実に売れるという保証はありません。しかも、余剰在庫の商品価値は時間が経つほど低下していきますので、「買取価格が高いうちに処分したい!」という場合はこの時点で対処した方が良いでしょう。
「滞留在庫」とは?
「スリーピングストック」や「眠り在庫」とも呼ばれている「滞留在庫」には、2点の共通点があります。
▼滞留在庫の特徴
- 商品の質や状態になんらかの問題がある在庫
- 利益となる可能性が低下している在庫
余剰在庫がただの売れ残りであるのに対し、滞留在庫にはプロダクト自体の品質がダメージを負っているという大きな弱点があります。そのため、「需要が高いシーズンになれば売れるのでは…」という淡い期待は、ほぼ通用しないと思った方が良いでしょう。
▼滞留在庫の一例
- 賞味期限のタイムリミットが迫っている商品
- パッケージが損傷している商品
通常、上記のような滞留在庫はメーカーだけでなく、一般的な消費者を対象とした販売店にとっても処分の対象です。まして、個人のネットワークを活用して販売するMLMであれば尚更でしょう。割引や特典といった付加価値を加えずに通常価格で販売するには、相当ハードルの高い厄介な在庫と言えます。
「デッドストック」とは?
デッドストック(Dead stock)とは、その名の通り「死蔵品」あつかいの在庫を指しています。日本では「死に筋在庫」をはじめ「不動在庫」や「低回転在庫」とも呼ばれており、どのような手段で処分したとしても損失は免れません。
▼デッドストックの特徴
- ほとんど売れる見込みがない在庫
- 商品価値が著しく損なわれ、2度と使えなくなった商品
- 保管状態が悪く、本来の機能が発揮できなくなった状態
MLMでありがちなのが、商品のモデルチェンジに伴うケースでしょう。パッケージのリニューアルや含有成分の変更などの理由で新商品が発売された場合、1つ前の古い商品に対する人気は急激に低下します。そのため、たとえ封を切っていない新品であっても売れずに残ってしまい、ついには賞味期限まで過ぎてデッドストックになってしまうのです。
▼デッドストックの一例
- 欠陥品や不良品
- 流行遅れや型落ち
- 賞味期限や使用期限を完全にオーバーしている商品
- ネガティブな理由により、メーカーが製造や販売を中止した商品
「不良在庫」とは?
最も損失リスクが高いというだけでなく、損失額まで大きくなるのが「不良在庫」です。不良在庫の特徴はデッドストックとほぼ同一ですが、1点だけ致命的な違いがあります。よく「腐ったリンゴ」に例えられる通り、不良在庫には腐敗や色落ちといった「他の商品の価値まで下げる可能性」というネガティブ要素があるのです。
たとえ損失覚悟で値下げをしても売れる可能性が極端に低いため、買い取ってくれる業者も多くはありません。なお、不良在庫を廃棄処分にした場合、商品によっては仕入れ値に保管費用や処分料まで上乗せした損失を被ることになります。手持ちのストックが不良在庫になってしまう前に、対策を講じておきましょう。
過剰な在庫は危険!と断言できる4つの理由
実店舗を構えるようなビジネスでは、数100万円~数千万の事業資金が必要です。その点、小規模から始められるのがMLMビジネスの大きな強み。だからと言って、誰も成功している訳ではありません。
ある程度の成功を収める前にリタイアしたディストリビューターの体験談を見てみると、圧倒的に多いのが下記のような在庫リスクによる失敗談です。
▼在庫リスクの一例
- いつの間にか優良在庫がデッドストックになっていた
- 商品の品質や価値が低下して、高く買い取ってもらえなかった
- 保管するための費用負担に耐えられなくなった
- 自宅のスペースを占領している大量の在庫を見て、家族から反対されるようになった
事実、販売元であるフォーエバーリビングプロダクツの公式サイトでも「過剰な在庫を招くような商品購入をしたり、させたりしてはなりません」と注意喚起を行っているほどです。
売れ残った在庫が溜まった原因を突き止める!
売れ残った在庫を抱えてしまう要因はいくつかありますが、誰もが陥りがちなのが下記の3タイプです。
- 一度に大量の商品を仕入れるほど単価が安くなる
- 品切れによるビジネスチャンスを逃したくない
- 在庫数や状態を定期的に把握していない
過剰な在庫を出さないためには、適正な在庫数をオーバーしないのが鉄則です。まずは、自分が置かれている現状を見直したうえで在庫管理を徹底しましょう。
大量購入すると単価が安くなる
確かに、数量が増えるほど単価が安くなる「大量購入」や「大量仕入れ」といったシステムは、ディストリビューターにとってはとても魅力的です。100%売り切ることができるのであれば、これほど大きなメリットをみすみす逃す手はありません。
とはいえ、美味しい話に付きモノなのが落とし穴。まとめて大量に仕入れた数が実際に捌ける数よりも多い状況が繰り返されると、いつの間にか滞留在庫が増えてしまうリスクが高いのです。大量に仕入れた分だけ確実に捌けるかどうか、販売実績を把握してしっかり管理するよう心掛けましょう。
品切れによるビジネスチャンスを逃したくない
在庫数が少なくなった時に相当数の注文を受け場合、得られるはずの利益が得られなくなってしまう、というリスクがあります。このリスクを回避したいという気持ちが強いほど必要以上に在庫を備蓄し、結果として捌き切れない商品が溢れてしまう状況に陥りがちです。
季節要因やトレンドなどを把握して注文が殺到する可能性を分析したうえで、本当に必要な在庫かどうか見極める力を身に付けましょう。
定期的に在庫を把握していない
今現在どれくらいの在庫があるのか、いつ新たな商品を仕入れるべきなのか、基本的な在庫管理を怠っているのは大きなリスク要因です。毎月何日に決まった数量を発注するといったルーティンだけを設定し、実際の販売数や在庫数を確認していないというケースも少なくありません。一定数の販売実績が安定してキープできているならともかく、変動がある場合は定期的に在庫数を確認し、状況に合わせて過不足なく調整する一手間が必要です。
商品管理の基本!ムダな在庫を出さない方法4つ
ここからは、MLMビジネスで不要な在庫を出さない具体的な方法について見ていきましょう。
「在庫回転率」を理解する!
余剰在庫や滞留在庫を出さないために、委託販売において重要となる指標が「在庫回転率」です。これは、仕入れた商品がどのくらい早く捌けているかを知る指標で、数値が高いほど短いサイクルで商品が捌けていることを示します。つまり、在庫回転率の数値が高ければ高いほど利益循環も良好であると評価できるのです。
回転率は、対象期間の実際の出庫数を期間中の平均在庫数で割る、下記の式で算出します。
在庫回転率=期間中の出庫数/期間中の平均在庫数
回転率は経営の基礎となりますので、できるだけ余剰在庫や滞留在庫を出さないためにも、必ず把握しておきましょう。
「リードタイム」から適正数量を予測する!
委託販売で滞留在庫を出さないためには、あらかじめ商品ごとの適正数量を把握しておく必要があります。ここで登場するのが、「リードタイム」という適正数量を算出するために考慮すべき要素です。
販売におけるリードタイムとは、商品を発注して届くまでの時間を指しています。回転率とリードタイムの両方を把握しておくと、仕入れのタイミングでどのくらいの数量を発注すればよいかが適切に判断できるのです。
ただし、リードタイムは商品の性質によって異なり、健康食品のような消耗品の場合はリードタイムが比較的短くなり、適正数量も多くなる傾向があります。過剰な余剰在庫や滞留在庫を抑制するだけでなく、在庫不足を防ぐためにも常に意識しておきたいポイントです。
月に1度は「実物確認」を実施する!
商品を販売して利益を得るビジネスにおいて問題なのは「在庫そのもの」ではなく、「売れない在庫が発生する仕組み」です。何より重要なのは、正確な現状把握!少なくとも月に1度は「実物確認」を行い、実際に手に取った商品がどのような状態なのか、本来の品質が保てているかを把握しておきましょう。たとえ仕入れたばかりの商品でも、雨季などの季節要因によって思わぬダメージを負っているかもしれません。
在庫リスクが低いプロダクトを選ぶ!
不要な在庫が溜まりにくい商品には、下記のような共通点があります。
▼在庫リスクが低い商品の条件
- 生活の質を上げる消耗品
- リピーターを獲得しやすい消耗品
- 実際に自分が使って効果を実感した商品
- 数年間にわたって使用期限や賞味期限が保証されている商品
上記の条件を満たしているプロダクトとして代表的なのが、サプリメントなどの「健康食品」やスキンケアなどの「美容アイテム」です。特に消耗品はMLM初心者にも扱いやすく、繰り返し購入してもらえる可能が高いという大きな強みがあります。
なお、MLM会社や商品を選ぶ時のポイントは「MLM製品の在庫でお困りなら」を参照して下さい。
まとめ
MLMにおいて滞留在庫を出さないためには、体系的な商品管理が重要となります。在庫回転率、適正数量、リードタイムなどの指標を考慮したうえで商品の仕入れと備蓄数を把握し、余剰在庫や滞留在庫を極力出さないようにしましょう。